%*,JP 飼育日誌 1月16日 今朝 動物実験室に 来てみると 少女たちが みょうに興奮している 調べてみると 2才になるシズが 目から血を流して 死んでいた かしこくて あいきょうがあり 私に なついていた 少女だ だけど その死体は 見るに しのびないものだった 頭は ふくらんで 毛がぬけ 眼は とびでて 下に落ちていた 私は 指示されるまま シズに 水をあげなかったことを 後悔した ねがわくば 彼女が 天に めされますように 1月17日 別の州にある 組織の研究所から レイトン博士が やってきた どことなくうつろな目付きの彼は これまでにも 何度か訪れていたが 時々 じっと私をぬすみ見ている事があり あまり 私は 彼を好きになれない でも 今日の彼は いつもと ようすが ちがっていた あいさつも そこそこに シズのケージに かけよると 何かに とりつかれたように ぶつぶつと つぶやきながら 調べはじめた 私は こんな実験は やめてほしいと 抗議したが まるで聞こえていない 調べおえると 突然 彼は けたたましく 笑いながら 私の手を にぎってきた 実験は これで成功だったのだろうか? 私は かっとなり 彼の手を ひきはがした 弔いたいという 私の願いは却下され シズは 消毒室のシュートに捨てられた 2月24日 レイトンは 動物実験を くりかえすため この実験場に 泊まりこむようになった 聞いたところによると 彼の専門は イモコンドリアで 以前 中止された 人工人類の研究を 彼が ひきついだらしい 私は軍事に転用しようとして失敗し この実験場で 凍りづけにされている ゴーレムと呼ばれる 兵士の死体を思い出して 寒気がした 難民の私を育ててくれた 組織には 感謝しているが これには賛同しかねる それが 超人思想だ たとえ ほろびたとしても 人は人のままで いいのに・・・ 3月8日 朝 大きなコンテナが 運びこまれてきた 中で 何かが暴れてて 今にも壊れそうだ すきまから のぞくと なんと 入っていたのは レイトン博士だった 彼を連れてきた 9という名のゴーレムは うれしそうに 私に説明してくれた 彼によると IMMCと呼ばれる 新しい人工人類計画の 被験者として レイトンは 志願し 自らに イモコンドリアを 投与したらしい しかし 体中に できものが でき うめいている彼に 以前の面影はなかった 3月14日 今の 私の悩みは かつてレイトンという 名の人だった IMMCという 生き物だ つい先日も 体の変化に耐えうるよう 人口の臓器と骨を 移植したばかりなのに 痛みを感じないのか やけに はしゃいで ひわいな言葉を 私に あびせかけたり かと 思うと めそめそ泣き出したりして 私の気分を め入らせる おまけに 食欲がおうせいで 肉を好むから 臭いが ケージの外まで ただよっている はきそうだから 今日は 早めに きりあげよう・・・ 4月12日 今日は 体調が よくないらしく レイトンは おとなしくしていた 寒いから 暖炉のそばに行きたいと 泣いて たのむ 私は 彼が泣きさけべば また 少女が おびえるから すでに 体調3mをこえている彼を ケージから出してやった 今は 暖炉のそばで おとなしく 前任の ねえちゃんを襲った IMMCは いまだに 行方がつかめない いい女だったのに もったいないことを したもんだ 今 9が 探しているが 俺は もう 外で くたばったと思う おかげで 新しいIMMCは 西にできた どでかいケージに運ばれるようになった だから 俺は ちくしょうどもの死にざまを 見てるだけ・・・ らくなもんだ %END